社内活動

研修

日本IDDMネットワーク サイエンスフォラム -1型糖尿病 2025年「治らない」から「治る」へ- に参加して

2017年06月30日S.A[平成26年入社][新規採用]


 1型糖尿病を「治らない」から「治る」病気にするという大きな課題の中で、先進の研究情報やその活動を支援する為の研究基金や募金活動、そして患者さんたちの声を聞いてきました。どんなに医療や研究が進んでも、患者さんにとって生きる為に一番必要で大切なものは、”私達が検査しているインスリン”だと実感しました。患者さんにとって毎日の血糖測定や注射は、苦痛でしかありません。その苦痛や毎日の注射をなくす為に、全力をかけて研究してくださっている人がいます。しかし、現時点ではインスリン注射という選択肢しかないのです。

 サイエンスカフェの分科会では「バイオ人工膵島移植の実現」というテーマを詳しく聞いてきました。たくさん進められている研究の中で、この研究が今一番現実的で、実行に移すことが可能だそうです。しかし、まだまだたくさんの問題があり、患者全員が完治するまでの見通しは遠いと伺いました。グループ会議では、お医者さんや製薬会社の方、患者さんとその家族など様々な立場の方とお話しする機会がありました。私自身もこの病気と闘っていて、生きる為に必要なインスリンを多くの患者さんが安心して使用できるようひとつひとつ目で見て検査していることを伝えました。するとグループの皆さんが、いかにインスリンが大きな存在かを話してくれて、私はすごく重要な仕事をさせていただいているんだと実感しました。

 1型糖尿病はまだまだ認知度が高くありません。この病気を知っているからこそ、闘っている人を知っているからこそ、私はこの病気や闘っているたくさんの人たちのことを広めなければならない!と決意することができました。2.jpg患者さんが口にしていた”みんなが平等、チャンスをいかに活かせるか・得られるか・掴めるか” ”病気になって気づいたこと、”病気を理由に諦めたくない” ”病気を味方に” ”同じ病気の仲間の存在” ”病院の先生とのコミュニケーション” ”寄り添ってくれる家族の存在”たくさんの言葉が心に残りました。そして、子供の頃に発病した多くの患者さんが病院の先生に「注射をすれば元気になれるよ!大丈夫だよ!」と言われたことで救われたと話してくれて、私もその注射で元気に過ごせることができる、美味しいものが食べられる、ずっと生きていられる・・・子供達にとって、ずっと信じて注射を続けてきた患者さんにとって、私達が検査しているインスリンひとつひとつが魔法のような存在であり、かけがえのない命であることを忘れてはいけないと改めて感じました。どんなに研究が進んでも、きっとインスリン注射は必要とされることでしょう。インスリン検査というかけがえのない仕事をさせていただいていることを胸に、誇りを持って頑張りたいと思います。そして、私も患者として精一杯生きていこうと思います。病気になって気づいたこと、参加して改めて気づいたこと、たくさんの勇気や元気をもらったこと、それらを糧にできることから頑張りたいと思いました。強く生きるたくさんの人のために。